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結局日本人が労働頑張っても国益にならない

朝刊
10 /25 2009
 労働者として汗をかくことは素晴らしいことだ。まあ、確かに理屈抜いて感覚的には素晴らしいように感じる。しかし、実際それは本当に自分の為になってるのか、みんなの為になってるのか、国益になってるのか。それを考えることが重要だと思う。
 汗水流して時間を束縛されて、契約通りに貰う賃金がある。しかし、それは自分の労働が生み出した利益の一部を契約という決まりで貰っているに過ぎない。確かに会社や設備は株主の物だから、それを利用してるなどの理屈で利益は当然株主の為であるし、株主に支払われるわけである。しかし、生み出した利益に対して、かなり少ない額しか給料として貰っていないのが事実ではあるわけだ。
 労働組合はきっと労働者が生み出した利益をしっかり労働者に還元しろというのが理屈だろう。しかし、やはり株主の存在や出資者がいるから会社が存在してるのだから、株主の取り分は当然確保されるべきである。
 では労働者は株主達に使われる存在なのかというかもしれない。それは半分正解で、半分が誤解である。それはどういう意味かというと株主の取り分が多いなら、自分がその株主になればいいわけだ。自分の勤めている会社ではインサイダーになってしまう恐れがあるが、まるで関係ない会社なら労働者も株を買えるわけだ。労働して貰えなかった分を株主に払うというのなら、株主になって貰えばいいわけだ。しかも自分が勤めているよりも有望な会社株を買えるのだから、こんな良い状況はない。ルールが労働者ではなく株主に払えというなら、そのルールに則って株主として貰えばいいわけだ。
 自分の給料が少ないから、株が買えないという人もいるかもしれないが、実際今まで生涯稼いだ額はどれほどのものか見直してみればいい。それでも株が過去に買えなかったと言えるだろうか。結局、給料を貰っては利益を生まないガラクタを買ったり、どうでもいい遊びをしたり、無駄に高い料理を食べてはいないだろうか。要するに、きっちりと使える金は実はあったのだが、この程度の金額では大した株も買えないし、配当利回りでも一年で少ない額しか貰えないと諦めて無駄使いや一時の快楽に走っている。その為に、日本企業の株を外国人投資家に買い漁られて、外国人投資家が所有した日本株分の日本企業の利益が海外に流れているわけだ。もしも50%を外国人投資家が握っていたら、日本が一年で稼いだ利益の半分が外国に流れていることになるわけだ。つまり、労働が素晴らしいなどとバカ面下げて働くのは結構だが、その労働で稼いだ金は株を握りしめていない日本人の無知さの為に、国外に流れているわけだ。まさに日本の流血が起きてるわけで、そのことの重要性に国民が気付いていないようだ。しかしそれは仕方ない。そもそも国会議員がそのキャッシュフローを理解できていないのだから。はっきり言って国会議員の中にも株は値上がり益で稼ぐものと誤解してるバカがいるだろう。だけど、本当に怖いのは配当の方なのだ。あれが利益の流血であり、素晴らしい労働の対価なのだから。
 そんなわけで、日本株くらいはしっかり日本人が握りしめて欲しいわけだ。特に外国人投資家が手放した時にこそ、日本人が日本の利益をしっかり掴む為にも日本株を持って欲しい。これはお金持ちでもいいわけで、外国人では国外に流出するが、国内の金持ちが株を持った場合は国内で消費の為に使用されるわけで、日本全体としては流血をしないどころか税収も上がるわけだ。
 そして、日本株が適正価格まで日本人で握りしめた後は、国外の企業に投資して欲しい。そうすると、外国の素晴らしい労働が生んだ利益が日本に流れ込んでくる事になる。自動車を必死に売って稼いで国内に入れる金も株式配当で外国から貰う金も同じ物。それなら、自動車で売った金も貰って更に株主配当でも貰う金も両方もらった方がいいに決まっている。さらに株主配当の利益には疲労も無いし、投資家が直接働く必要も無いわけだ。こんなに楽に貰える利益なら貰って置いた方がいいに決まってる。
 投資は怖い。投資で儲ける奴はズルい奴だという考え方だけでは、国内に資本を留めておくことは出来ない事を理解して欲しい。資本主義は株を守ることこそが国益を守ることであり、外国株を得ることで外国益を奪うことになる。これから世界でも金融資産を有する日本が成長するには、配当外国垂れ流しという出血を止め、さらに外国の株式配当という外国の流血をすする戦略が重要になってくる。
 株以外にも資源権益という考え方もあるが、その権益で利益を得てる会社株を持てば問題が無いわけだ。結局、資源を利益にするのは企業なのだから。
 正直にいうと、日経平均が大底を付けた時に、国営ファンドを作って日本株を買い集めておくことこそが国益を守る最大の戦略であったのに、あそこで動けなかった国会議員達の無知のへたれぶりには失望した。日経平均が落ち着いたら外国株も買い進めれば良かったのに。もう外貨だけの時代ではないと僕は思う。外貨と外国株を合わせて国が持つことが戦略だろう。

りそな、優先株700億円発行へ=日生が500億円引き受け
 優先株は経営者達の保身には便利でも、経営には配当が多い分不利になるのだから、あまりとるべき戦略じゃないと思う。経営者の保身はいつか会社を蝕みかねないのに。ただ配当狙い投資なら、素直に利用すべきだろうね。


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黒崎銀二

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2007年8月31日開設
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