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地球は女で回ってるの風景

朝刊
08 /08 2011
信子「ウディ・アレンの地球は女で回ってるって面白いね。というか最近ウディアレンを観てるけど、この人の映画って独特の空気感があるのよねぇ」
益利「確かに独特な空気があるよな」
信子「うん。映画って言うと他の人の映画は純粋に映画なのよ。例えどんなにつまらない映画でも映画!って感じがするんだけど、ウディアレンの映画はちょっと違うの。なんというか、ユーモア文学作品を読んでるようなふわふわ感というかこの独特な空気感が心地よいというか。なんなんだろうね、このウディアレン作品通してある感覚は。古い映画から最新の映画まで映画はどんな映画でも映画の空気というかどこか枠ががっしりしてるわけで、それはそれで良い事なんだけど、ウディアレン作品は映画の形をしてるけど、どこか文学な空気があるのよ。観る文学というか。妙な風刺があったり、ウディアレン演じるキャラは神経質でクズなんだけどどこか憎めないし、なんなんだろ」
益利「確かに文学っぽい空気かもな。どこか浮世離れした世界観なんだけど、ソフトで優しい感じが包んでるというか」
信子「例えるのが難しいんだけど-、感覚としては角川文庫の星新一みたいな空気と言えばわかるのかな。あの角川の星新一の挿絵的な感じというか。そのせいか販売が角川書店なんだけどパッケージのイラストがまさにイメージ通りだったりするのよね。さよなら、さよならハリウッドのパッケージのイラストが見事にそんな感じというか。あたしがウディアレンにハマったのはこのさよならさよならハリウッドDVDで中古で掘り出してからだし。このパッケージで角川って言うのが完璧。まさに観る角川文庫みたいな。この空気感を出せる映画監督は他にはいないでしょうね。この空気なんなんだろうなぁ」
益利「物語も独特だけど、風景とかの撮り方が結構キレイだと思うな。どの映画もしっかり街という風景をしっかり撮ってると思うし」
信子「そうよねぇ。風景キレイよねぇ。世界中がアイ・ラヴ・ユーのフランスの風景とかそこでの場面とか本当にキレイだったしね。しかもその綺麗な風景にウディアレンは妙に溶け込むし。日本なら役者の温水さんが黒縁眼鏡をかけたような感じのキャラなのになぜか綺麗な風景に馴染むのよね」
益利「確かに日本なら温水さんみたいな感じだよな。もしかしたら温水さんもこういう映画撮ったらカンヌ映画祭で和製ウディアレンとか言われるんじゃないか」
信子「ありえそう。温水さんを活かすべきなのよ。しかも活かすにはフランスでラブコメ撮らせるのよ。でもウディアレンが演じるキャラのウザさは本当に秀逸よね。神経質だったり、エッチが好きだったり、妙に女性にモテたりとかウディアレン作品だとなぜか自然に感じる。他の映画ならウディアレンが演じるキャラは女性には相手されなかったりとかそういう設定なんだろうけど、ウディアレン作品ではなぜかモテモテなのよね。しかもウディアレンのキャラは大抵性格に問題があったり。特にこの地球は女で回ってるのウディアレンは本当にクズ。つーか絶対セックス依存症でしょ?女と見ればすぐにやろうとするし。でもどこか憎めないのよね」
益利「作品内では結構嫌われてたけどな。あとウディアレンの作品内での皮肉は結構どぎつい感じがするけど、それがどこか文学的な感じがするし」
信子「極右派とかユダヤ皮肉や地獄の地下層に行くほどそういうのが多かったりね。メディアがさらに下だったりするのはニヤニヤしちゃったわ」
益利「そのニヤニヤ感が文学的なのかもな」
信子「そうなのかなぁ。とにかくウディアレンは自分の空気感があって独特な作品を生み出す紛れもない天才よ。スピルバーグも独特な空気感持ってるじゃない?あたし結構あれ好きじゃないのよね。どっちかというウディアレンの角川文庫風空気の方が好きよ」
益利「ウディアレンを知れたことは結構価値があったことかもな」
信子「あたしはウディアレン作品をもっと観て勉強するわ。この文学的な空気感はちょっとクセになりそう」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
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2007年8月31日開設
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