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投資を始めるとケチになるの風景

朝刊
10 /11 2010
信子「雑誌でトレーダーとして出てくる人に贅沢してる人ってたまに出てくるけど、大概みんなシンプルというか貧乏臭い生活してる人が多いよね」
益利「ああ。まあなんとなく理由はわかるけどな」
信子「投資を始める時って、お金持ちになって楽ちんな生活して贅沢な生活してやるんだ-!って心持ちで始めるんだけど、実際始めるとそうでもないなぁって思うのよね」
益利「どう言う風にそうでもなかったんだ?」
信子「うーん、そうだなぁ。例えば株の板とかを一気に買い上げたりする人がいると、その買い上げた額を計算するとすげーとか思ったり。そんなのを見ると自分なんてまだまだちっぽけだなぁって思っちゃうし。それに無駄使いした分のお金がもしも違う株を買ってたら増えてるかもと思ったら、無駄使いできないしね」
益利「まあ、数百万の車を買わずに数十万円の軽自動車買って浮いた分で配当率の高い割安株を買えば大分数年後の資産の違いがあるしな」
信子「数百万ですら安いって人ならいいけどね。個人投資家なんてそこまで大きい人はそうはいないし、お金こそが武器であり、会社であり、仕事をくれる取引先でもあるわけで、無駄に浪費は出来ないでしょ。相場こそが居場所だ!って人は資産を無駄使いで目減りさせるのは怖くて出来ないでしょ。そんなわけでネットトレーダーが安い服や安い食事してるのは合理的なわけよ」
益利「まあ、それもあるけど実際ネットトレーダーは証券マンのように誰かと会うわけがないから、相手のいない生活において見栄を張る必要はないから、高い服や高い車なんて価値が無いんだよな。資産家から出資を引き出すにはいいスーツの方が安心感があるだろうけど、自宅のパソコンで自分のお金を使ってる分にはジャージでも何の支障もないしな」
信子「そんなわけでネットトレーダーは貧乏臭いというか質素な生活をしてると思うわけ」
益利「あとこんな生活してると友達や知り合いとか増えないしなぁ。それどころか減っていくしな」
信子「そう考えると、株で儲けて贅沢してますと雑誌に出てくる人って逆にすごいなと思える。株で儲けたお金を使って目減りさせることの未来の損失も理解してるだろうけど、あえてそこでお金を使って株で儲けて贅沢をすると言う当初の目的を遂げてるんだから。昔はそれはもったいなぁと思ってたけど、今は逆にそれはそれでいいんだと思えるようになったわ」
益利「なんで株で儲けたお金を無駄遣いするのは良い事なんだ?」
信子「ほら、相場の世界しか見えない人はまるで見えてない。それはそれで盲目なのよ。要するに人生なんて死んだらオシマイってことよ」
益利「はぁ?そら人生死んだら終わりだろうよ」
信子「いつ死ぬかわからない人生なんだから、贅沢できる時に贅沢する生き方も人生だし、そういう投資法でもあるわけよ。例えばもしあんたが今みたいな質素というか貧乏臭い生活をしながらバフェットを越える資産家になったとする。で、いつそのお金を使うわけ?」
益利「…うーん、きっといつか…」
信子「そう思ってバフェットはもう老い先短い年齢になってるわけよね。死を怖いと言いながらも、資産の目減りも怖がってる。目減りが怖いから永遠に増やし続ける。では彼は何のために資産を増やし続けてるんでしょうか?」
益利「バフェットがなぜ未だに資産を増やし続けるか。いや俺もずっとそれを考えていた。もうバフェットが数十回生まれ変わっても使い切れない程の資産を保有してるのにまだ精力的に投資を続けてる」
信子「彼にとっての投資ってもう趣味なのよ。老人が囲碁や将棋を打つように彼は相場を張り続ける。もうお金持ちがどうとかじゃなくて、ただの頭の体操とハイスコアをどこまでいけるか頑張り続けてるゲームマニアみたいなものよ」
益利「確かに彼はもうハイスコアを目指してるゲーマーと変わらないように感じてた。まあある意味相場をずっと見ていられるというのは相場中毒には羨ましいと思う反面、相場から離れて見れば目的を見失ってるように思えるな。当然俺もだけど」
信子「そんなわけで見る位置を変えてみると、みんなそれぞれ見えてる物があるわけよ。株で儲けて贅沢するのも間違いじゃないわけ」
益利「なるほど理解はしたが、俺から相場を無くすことは無理だから結局贅沢はこれから先もないな」
信子「はぁ、全く頑固者め。あんたのお金で無駄遣いしようと思ったのに」
益利「結局お前も無駄使いできないんじゃないか」
信子「そりゃそうよ、あたしも相場のない人生なんてもう想像も出来ないわ」

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黒崎銀二

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2007年8月31日開設
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