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マネーの公理を読んでの風景

朝刊
11 /15 2010
信子「ああ、なんなの!この本はバイブルよ!投機のバイブル!バイブルオブスペキュレーションよ!」
益利「何盛り上がってんだよ」
信子「盛り上がれずにはいられないわよ!この本、マネーの公理を読んだんだけど、この本には投機についての極意が全部包み隠さず書かれているの!」
益利「随分大きく出たな。投機の極意なんてそう簡単に書けるもんか」
信子「それがここに書かれているのよ。ただこの本は完全に投機専用の本なので、長期投資で利益を出してる人には迷いを生む悪魔の書になるかもしれないけど。でも投機家にとってはそうそうと言う事やここまで書く?みたいなことが書いてあるの」
益利「胡散臭えな」
信子「まず、リスクを抱えての心配事のある毎日こそ健康の源。心配事のない毎日を送れているのはリスクを取ってない証拠で、リスクを取らないでゆっくり眠れる生活を送れるような投資である国債などでは結局将来はお金に困る生活になるだろう」
益利「おお、言うねぇ」
信子「さらに分散投資をするな、小さな額から始めようとするからお金持ちになれない。損しても良いような額が二倍になったところでいつお金持ちになれるのか」
益利「おお…。ゴメン、人に投資を勧める時は絶対に小さい額から無理をせずって言ってしまうな。頭ではわかってるんだ、そんな少額ではいつまで経ってもお金持ちになれないって。でも人に投資を勧めて大損したら責任感じるし、少額なら損しても授業料として思えば安いだろって誤魔化そうとしてた!大きい額から始めろなんて絶対に言えないよなぁ。すごいな、その本」
信子「でしょ?分散投資しなければ、百万円を十倍株を二回買うだけで一億円だからねぇ。実は投機家はみんな分散投資よりも集中投資の方が儲かるってわかってるし、だいたい大きく儲ける人はここ一番で集中する人よね。BNFさんがジェイコム株男で有名になったのもあそこで大きく張れたからだし。実は極意とは集中投資だけど、それは絶対に言えないし、雑誌や本では書けないよね」
益利「まあフィリップフィッシャーくらいかな。分散するなというのは。さすがに一点集中とは言わないけど」
信子「この本だって一点集中とは言わないわよ。まあ投資の極意は集中投資だけど、これを言ってしまうのは本当の達人ねぇ」
益利「分散してると全部上がるなんてことは滅多にないからな」
信子「さらに早過ぎるほど利食え、沈み始めたらすぐに損切れ」
益利「ああ、耳が痛い。利食いでうまく言ったという取引ってないよなぁ。絶対に後悔する。早く売りすぎて上がってしまったら後悔するし、天井付けた後下げてから売るとあの時売れば良かったと後悔する。同じ後悔なら早めに利食いした方がいいよな」
信子「天井で売れる人なんて運がいいだけだからね。利食いというのは必然的に後悔を生む行為。ただこの本には利食った後の株価を見るなとも書いてある。その通りね。他には予測はどんなものでも信じるな、とか、あ、これこれ、根を下ろしてはいけない。機動的に動けなくなる」
益利「あー投資は失敗した投機ってやつだなぁ」
信子「ああ、あとこれオカルトに頼るなってのもある。たまたま運良くタロットカードで当たりを教わる人がいたとしてもそれは運が良いだけで、占星術師が当たるなら全ての占星術師は金持ちだっての。あんたこの間パワーストーン買ってなかったっけ?」
益利「あーあー、聞こえなーい。でもあの石買ってから調子良いぞ」
信子「はいはい。そして、これがスゴいの。直感を信じろ!これは異質よね。さんざん勉強して経験を積むとその蓄積した何かが直感で教えてくれた時はそれに従えっていうのよ」
益利「…それは良く感じるな。心の中に何かがこれを買え!とか今利確しろ!とかすぐに損切れ!って声が聞こえる時があるけど、それに従えば良かったというのは結構多い。直感かぁ、やっぱり重要なのかなぁ」
信子「直感はあるよねぇ。あたしは損切りは直感に従ってるかな。でもまさかそれを極意として書いてしまうのがスゴい。あと最後に気になるのが、群衆と反対に動くのは正しいけど、闇雲に逆に行くのもバカだと言ってるの。これはあたしは反省するわ。バカみたいな割安株だと思って買っても上がらないし、買い手もいないので損切りも出来なかったりと反省するわ。損切りすることも考えて買わないとなぁ。損切りを引き受けてくれる人もいないような株はいくら安くても買わないようにするわ」
益利「しかし、その本スゴいな。色々目がさめた。一度考えを改めてみるかなぁ。塩漬けとは言わないけど、微益株を長期で持ってても時間だけ無駄してるしなぁ」
信子「確かに微益株とか微損株が難しいのよね。損切りラインとか利確ラインとかしっかり出来た投資家にとって今度は問題になるのがその微株よねぇ。もう一回売っちゃえばいいんじゃない?売った後でやっぱり欲しいかどうかって思うと、結構買わないもんだし」
益利「しかし、さっきお前が言った言葉も当を得てるよな」
信子「何か言ったっけ?」
益利「百万円で十倍株を二回買えば一億円ってやつ。さすがに十倍以上の株はなかなか無いけど、十倍株なら確かにあることはある。リーマンショック直後の頃に買った株ならいくつもあっただろう。株で一億への道で一番シンプルなのがこの百万円を二回取引だろうけど、十倍株なんてそうはつかめないから、売買回数は増えていく。でも資産が増えることによって分散投資によって伸び率が落ちたり、半分は上げても半分が下げたりとシーソーになったりと、なかなか上に行けなかったりする。本当に資産を増やしたかったら、やっぱりしっかりリスクを取ることなんだよなぁ」
信子「でも失敗したら大損するけどね。出来れば損切りがすぐに出来るように張り付いてないとだから、やっぱりサラリーマンとかには無理よねぇ」
益利「俺達はサラリーマンじゃないから、リスクを取るのが仕事だ」
信子「結構とってると思うけどなぁ。割安株だけど」
益利「俺は分散しすぎかなぁ」
信子「まあそれなりに悩みながら試していけばいいじゃない?借金しなければ何度でもやり直せるよ」
益利「相場はこれからもずっと続くからな。失敗しても十万円から復活してやるさ」
信子「十万円だったら、十倍株を3回で一億ね」
益利「そう聞くと一億ってそんなに遠くないよな」
信子「当たり前じゃない!あたしの目標は一兆円よ!」
益利「何もしてなくても検察に捕まりそうだな、日本だと」
信子「その時は、鷲津さんみたいに『この国は資本主義でしょ!お金を稼いで何が悪いんですか!?』って言ってやるわ」
益利「この国の資本主義って歪だからなぁ。そもそも小中学生の頃に商売経験をさせないどころか、お金のやりとりは汚いことと教えてるからな。そんな教育受けた人が社会人になってお金を扱い始めるから面食らうし」
信子「算数とお金のやりとりって似てるようでまるで違うからねぇ」
益利「とは言っても小中学生から投機をやらせるわけにはいかないだろうけどな」
信子「子供の頃の方がうまい投機をしそうね。マネーの公理に書かれている事を自然と行いそう。大人になると逆に色んな影響を受けてるせいで余計なことを考えちゃうんだろうし」
益利「本を読みすぎると逆に余計なことになったりするんじゃないか、お前」
信子「投資家はみんな溺れているのよ、だから救いが欲しくて本にしがみつくの。仕方ない事よ」
益利「相場の無い土日の息苦しさは溺れによるものか」
信子「マネーの公理の第一の公理。心配があるのは適度なリスクを取ってる証拠。良い事よ」
益利「その本に戻るのか」

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黒崎銀二

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2007年8月31日開設
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