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ウイスキー好きーの風景

朝刊
04 /30 2012
信子「あたしの彼氏はジョニーウォーカー。」
益利「…へえ。つーかこの間までえっらい薄くして飲んでた奴がかっこつけて…」
信子「昨日も十年前も戻れないって事じゃ同じよ。昨日だって遠い過去なの」
益利「それで今はどんな飲み方してんだ?」
信子「うーんとねぇ。ショットグラス買って来て、ストレートで飲んで水をチェイサーにしてたんだけど、味はわかるもののしんどくなって今は炭酸でハイボールにして飲んでるの」
益利「気が付けば、ウイスキーのボトルが増えてるし…」
信子「だって、ウイスキーって色々あって奥深いのよ。酔えればいいあたしがここまでこだわりたくなるとは思ってもみなかったわ」
益利「ジョニーウォーカー黒ラベルとかI.W.ハーパーとかアーリータイムスとか。なんだこのグレンマレイとかいうのとかカナダクラブ?フォアローゼス?バランタインなんちゃら?こんなに飲めるのかよ」
信子「あー違うの。一気に飲むんじゃなくて色々なウイスキーを飲み比べるのが面白いのよ。それにブレンデッドウイスキーにシングルモルトウイスキー、バーボンウイスキーとか色々あるのよ」
益利「バーボンってウイスキーだったのか」
信子「バーボンは原料の半分以上がトウモロコシのウイスキーのことを言うのよ?知らないの?」
益利「ウイスキーなんて興味無いから知るかよ。それにお前だって最近だろ、憶えたの」
信子「まあねぇ。本買って読んで勉強したしぃ、みたいな?エヘ」
益利「しっかしウイスキーなんてこんなに買ったら一財産だろうに」
信子「それがねぇ、円高様々よねぇ。ジョニ黒なんて1890円だったんだから、特売価格だけど」
益利「へえ。高そうだけどそれほどでも無いんだな」
信子「それがね。この本の時だと3500円くらいしてたみたいなの」
益利「3500円?二倍とは言わないけど、それに近いくらいの値段じゃないか」
信子「それこそ円高パワーがここに出てるのよ。ただジョニ黒もスーパーだと2500円だし、特売じゃない安い酒屋では2200円くらいしたわ。まあそれでもこの本に書かれてる価格よりは安いわよね」
益利「そら異常な円高だって事になってるからなぁ」
信子「そんなわけで経済のことを知ってるからこそ、超円高の今こそ辿り着くところはウイスキーなのよ。高度経済成長期だったら、ウイスキー並べておくのがステイタスだったんだから。わざわざ外国で高級洋酒としてウイスキーお土産にとかね。それが黒ラベルですら2千円で買える時代。今の千円がどれだけ高いかが良くわかるわけよ。フリーターだってこのレベルは買えるわけよ。要するにもう日本ならフリーターでも高給取りって事ね。昔なら会社の管理力クラスではあるわけよ。それこそ平社員なんてウイスキー買えなかったんだから」
益利「ウイスキーは熟成させないといけないから、そう簡単本数増やす事が出来ないから、ある意味貴金属と同じように価値は一定だとも言える。ウイスキーブームが起きて価格が吊り上がったりしてなければだけどな」
信子「そうなのよ。12年とか寝かさないといけないから、供給量は一定なわけよ。だから、価格の変動亜hダイレクトに為替の影響だろうし。二千円でこれだけのウイスキー買えるんだから、スゴいよね。他のウイスキーも千円だったけど、やっぱり古い本だとこれらも高いわけよ。まあ、本当に今がチャンスと言えるわね」
益利「しかし、なんで急にウイスキーにハマるかねぇ」
信子「だって、ワインとか日本酒に詳しい女はもうわんさかいるじゃない。そうなったら、次はウイスキーよ。それにウイスキーに詳しくて飲んでたら、舐められたりしないでしょうし」
益利「それでどれが良かったんだ?」
信子「うーん、あたしはバーボンが好みかも。ハードボイルドだしねぇ」
益利「ハードボイルドというかおっさんの域に踏み入れてるように感じるんだけどな」
信子「ああ、マッカランとかシーバスリーガルが欲しいわ。あたしが買うまで円安になっちゃだめ」
益利「そうもいかないだろうに」
信子「ウイスキーが安く買えるなんて素敵よねぇ。ねえ、ジョニーウォーカー?」
益利「酒と語ってるよ…」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
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2007年8月31日開設
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