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究極のスイーツの風景

朝刊
05 /28 2012
信子「こ、これはっ!正直衝撃だわっ!まさに灯台もと暗しっ!」
益利「まーた何か大げさに。何があった?」
信子「究極のスイーツを発見したわっ!」
益利「へえ、そりゃすごい。で、なに?最近流行りの濃いなんとか?抹茶なんとか?」
信子「バーカ。そんなので衝撃とかないわ!ウマいと思っても究極とか絶対に言わないし」
益利「じゃあ、なんなのさ」
信子「あたし、甘い物を食べたかったのよ。まあ、何でもいいし、とりあえずそこで目についたのが定番中の定番商品で、最近食べてないなぁと思って買ったら、これがウマいのなんのって!マジヤバいんだから」
益利「定番でウマいのだとぉ?なんだそれ?プッチンプリンとか?コアラのマーチとか?」
信子「チッチッチ!これよこれ!日本人なら誰もが知ってるコレ!」
益利「はぁ?森永のミルクキャラメル?マジで?」
信子「でしょ?そう思うでしょ?でもあんたが最後にミルクキャラメル食べたのって何年前よ?」
益利「うーん、子供の頃かなぁ?似たような物だとハイチュウが出てきてそれからめっきり…」
信子「じゃあ、ほら、おごるから一個食べてみてよ!」
益利「おごるとかケチくせえな。あれ、包み紙ってあぶらとり紙みたいなやつじゃなかったっけ?銀紙になってる」
信子「中は昔懐かしい正方形に筋の入ったキャラメルでしょ?どうよ」
益利「ん、んん。ああ、これこれ。これだよなぁ。ミルクキャラメルの味。うん、思ってたより結構うまいな」
信子「でしょ-?このミルク味とキャラメル味が良くわかるし、キャンディーは甘さばかりが強すぎて舐め終わる頃には味に飽きちゃうのにミルクキャラメルは最後まで飽きないの。チョコのようにくどすぎず、価格も一箱百円くらいだし、携帯性も抜群。さらに噛む事も出来るのでストレス発散も出来るし、ガムのように味が無くなる事はなく、食べ終わるまで均一の味。それになによりもこの昔ながらのパッケージデザインが2周くらいして逆にクール。中の箱にはウォーキングの糖分補給をアピールしてるけど、ポテンシャルはそんなレベルじゃない。やはり長いこと売れてきた物にはそれなりの理由があるのよ」
益利「まさか森永ミルクキャラメルについての熱弁を聞くことになるとは思わなかったな」
信子「あたし達の子供の頃はお菓子業界が新商品を矢継ぎ早に出して、あたし達はミルクキャラメルから浮気して他の商品に気を取られてる間にこのミルクキャラメルのことを忘れてた。でも色んな物を味わってきて、戻ってきたらどう?このミルクキャラメルのほどよい甘みとスイーツの核であるカラメルとミルクだけを凝縮してるスイーツの究極体なの。スイーツの重要な部分だけを集めた形だからこそミルクキャラメルはどんな時代もサバイブしてきたのよ。コストにデザインに味に歴史で森永ミルクキャラメルを越えるものなんてある?流行のお菓子なんてなかなか定着するかどうかもわからない。むしろ目新しい物に期待しては思ってたのと違うと後悔したり、気に入っても飽きてしまったりする。そんな人は一度森永ミルクキャラメルに戻ってみるべきよ!お菓子売り場でミルクキャラメルの味は知ってると軽視せずに、一度口に入れてみて欲しい。あなたの求めていた物はきっとコレなのよ!」
益利「興奮するのは勝手だけど、誰に訴えてるんだ。まあ、結構うまいな。確かに。しかも携帯性がいいから、ポケットに一箱入れておけるし。オレも買おうかな」
信子「あたしが見つけたのよ。あたしのマネをしないで!」
益利「ええぇ。どういうこと」
信子「森永ミルクキャラメルは売れて欲しいけど、あたしの周りで他の人が持ってるとちょっとムカつく」
益利「あのなぁ…」



黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
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福澤桃介と金子直吉の評価の低さを憂う。
2007年8月31日開設
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