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進化に似た変化の無い時代の風景

風景
05 /26 2014
信子「うーん。やっぱりまどかマギカも2011年かぁ」
益利「2011年ねぇ。今から思うとだいぶ昔の話だな」
信子「まあ、日本は特に東日本大震災があったしね。しかもまどマギの第10話放送したのが3月11日みたいよ。まるで何かを予言するかのような事になったけど、あの作品も歴史の特異点だったのかもね。歴史を予言した作品は名作ではなくいわく付きの予言書というか世に出るべきして出たことになるし、そういうものこそ傑作と言えるのかも。まあ、それはいいのよ。問題は2011年のもう一つの大きな事件よ」
益利「もう一つの事件?」
信子「ジョブズの死去よ。彼が死んでから、世の中が驚くような時代の変化がないのよ。あれからもう三年も経ってるのに、スマホから先がまるでないじゃない。なにこれ」
益利「一応3Dプリンターとかかなぁ」
信子「それも店の前で行列とか出来た?なんかこれがあれば何でも作れる機械なんてのは昔からあったじゃない。でもさぁ、問題はその先よ。工作機械の先。どんな万能な工作機械が出てきても、世界が求めてるのは新しい商品よ。むしろもう何でも出来ると思われみんな夢中でフリックしてたスマホだけど、今ではアプリ疲れが表面化してきてるし、スマホ自体の便利さは認めるものの、初めて触れたときのようなどこまで生活を変えてしまえるのかというドキドキわくわく感がもうないじゃない。パソコンがネット繋げた時もそんなドキわく感があったけど、気づけば当たり前になって無くなっちゃったじゃない。今はそれがどこにもない。世界はジョブズという指導者に導かれる事が当たり前になりすぎてて、ジョブズがいない世界はこんなものなのよ」
益利「そうだなぁ。Eテレでやってた今のシットコムのアイカーリーとか言うの見たけど、酷くつまらなかった。アメリカもこんなもんかと」
信子「あれは確かに酷かったわね。あれはどうでもいいの。もう3年も経つのに、次を見せることの出来る人がいないなんて」
益利「スマホの性能が上がったからって、なんなのって感じだしなぁ」
信子「明らかにつまらないと思いつつもいじってる人が多いはず。実感はあるのに、かといってこれをやめてもやることなし。それっていいのかなぁとか思うわけよ」
益利「アップルⅡから始まって、人類はジョブズにスマホなんてのがある時代に連れてこられたけど、こっから先どこに行っていいのか誰もわからない状態だよな」
信子「そうなのよ。そこなのよ。なんなの、どこに行けばいいの?誰か教えてって感じ」
益利「それがわかったら誰も苦労しないよなぁ。ジョブズはある意味コロンブスだったのかもな。新大陸を発見してしまった。しかもその新大陸に上陸するツールであるパソコンやスマホを具現化してしまった。気づけば新大陸は人で溢れるほどに多くなってしまったって感じ」
信子「ネットっていう新大陸に情報が溢れてるって事ね。しかも最近では自由で売ってたその大陸も規制の話が盛り上がってるわけだ。なんかどこかの国と同じね」
益利「まあ、あとはアメリカと同じ末路じゃね?ネットも。そうなるとまた新大陸を探さないとダメなわけで」
信子「新大陸ねぇ」
益利「どこにあるんだろうな」
信子「ハビタブルゾーンかな」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
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2007年8月31日開設
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