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さよなら、そして、ありがとう太田コロナの風景

朝刊
02 /06 2012
信子「うわ、マジで?太田コロナが閉店すんの?マジで?ショックー」
益利「ああ、こんな日が来るとは…。友達に仮面ライダーを教えられてから、ずっとオレはこの太田コロナで観てきたのに。とうとうここが閉店するなんて…。久しぶりに結構ショックな変化だ。どの映画館よりもクーポン券とかで割安だったのに。チケット買った時にくれるクーポン券で土日も千円で観られるのはここだけだったのに。まさかこんな日が来るなんて」
信子「ショックよね-。ここでどれだけ映画を観てきたことか。映画自体売上げが減ってるから、どこかの映画館が潰れるかなぁと思ったけど、まさか太田コロナが一番始めに倒れるとは。まあ、こんな事態になってから言うのもアレだけど、もっとみんな映画観に行ってよ。いざとなった時に映画が観られなくなってもいいのかねぇ」
益利「映画館で映画を観る事に損得で考えるからダメなんだよな。映画館で映画を観るというかチケットにお金を出すというのはその設備に投資してるって感覚で行かないと。設備維持費を払わなければ、その設備が存続していくわけがない。だから、もっと自分の住んでる街に色んなお店がある街になって欲しければ、そのお店に通ってお金を投資するべきだ。誰かが行ってるから大丈夫だろうなんて考え方してるから、街から店が消え、どんどん不便になっていく。無駄使いだと言って、お金を全く使わない事を美徳にするけど、その考えの先にある街は店の無い荒野のようなシャッター街。投資しないで自分がどうしても観たい映画の時だけの為に存在しててくれとか調子がいいわけだ。ああ、仕事帰りに千円で一本観たっていいわけなんだから」
信子「あんたが愛着あったのはわかったけど、それは仕方ないじゃない。やっぱり映画館で映画を観る人が減ってるもの。というか今時の若者は映画を観ずに休みの日に何をやってるのやら。特に太田なんて遊ぶ場所なんかないじゃない。それが太田コロナという貴重な遊び場を失ってどうするんだか。ここが潰れたらイオン太田なんて駐車場が無くなっちゃうだろうし。しかし、参ったねー」
益利「あーあ、なんかもう色々と嫌になってくるよ。しかし、コロナがいなくなった後、ここ何に使うんだろう」
信子「何に使うんだろうねぇ。一時期やたら増えたシネコンも衰退の時代なのねぇ。これから先は本当に予測できないわ」
益利「20代を語る上で重要な太田コロナが潰れるんだからなぁ。もう先なんかまるでわからないな」
信子「この調子なら十年後に日本が倒産してても驚かないわ」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
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2007年8月31日開設
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