信子「ここか！ここなのね！」
歩「で、ここが何なんですか？ずいぶん遠いところですけど」
信子「ほらこの学校見て！見覚えない？」
歩「えぇー。私、こっちの学校じゃなかったから来たことすらないですよ。足利西高校ですか？」
信子「ほら、よく見てよ。どこかで見たことあるでしょ？」
歩「うーん…。ちょっとわからないです…」
信子「ヒント、あの屋上で暗い女の子が友達と仲直りしました！」
歩「仲直りですか…？」
信子「ヒント２、あの駐輪所でドミノ倒しになった自転車を暗い女の子が直してました！」
歩「ドミノ倒しされた自転車…？」
信子「ヒント３、あの体育館で野球バカの同級生と暗い女の子が話してたら、クラスの人気者の男の子が嫉妬して手を握ってあのグランドの方へ連れて行きました！」
歩「あ、ああ！わかった！君に届けの高校ですか？ここ！」
信子「ピンポーン！その通り。あの映画ほとんど足利ロケだったらしくて、この高校で撮影したらしいのよ。来てみてその通りでテンションも上がるわ！」
歩「うわ、そう言われて見ると本当に映画のシーンと校舎が重なって見えますね。うわ、本当だ。映画で見た校舎ですね。うわうわうわー！」
信子「ヤバいよね－。案外舞台になった場所って実際に見ると違うものね」
歩「へえ、この校舎に三浦春馬君が来てたってことなんですね。ええ！いいな、ここの学生達はテンション上がるでしょうね！今日はまだ冬休みで誰もいないみたいですけど」
信子「あー、それなんだけどね。実はこの学校廃校になってるんだわ。だからもうこの校舎で学ぶ学生はいないのよ」
歩「え、廃校なんですか！もったいない。あ、でもだから思いっきり撮影に使えたんですかね」
信子「きっとそうなんだろうね。でもさ、映画とかで一度使うとただの廃校も今のあたし達みたいに特別な場所になるわけじゃない？付加価値が付いてるわけで、この校舎をただの廃校にしておくのってもったいないよね」
歩「どうせ廃校なら、お金払ってでもちょっと映画の舞台だったクラスとか見たいですね」
信子「本当ね。そういう需要も生まれるのにね。どうせなら、足利ももっとこの学校を色んな撮影で使って貰って、そういう撮影用の学校に出来ればいいのにね。そうすればこの校舎も有名になっていくわけだし」
歩「廃校が観光名所になりますね」
信子「これからそういう町おこしがいいね。しかし、これだけ綺麗な校舎が廃校とはね－。なんだか地方は色々寂しくなっていくわけだわ」
歩「君に届けの続編でもやってくれればまたこの校舎も使われるんでしょうね。そうなって欲しいなぁ」
信子「続編かぁ。そうだね、ぜひやってもらいたいね。あたしこの校舎が気に入っちゃったし」
歩「もしそうなったら次は学校をもっとよく観ます！春馬くんの次に！」
信子「まあ、春馬君には勝てないか」
歩「春馬君には勝てません！」
信子「歩ちゃんも言うねぇ…。また何かに使われたらいいね、足利西校」
歩「ああ、でも校舎見ると本当に映画のシーンが見えますね…」
信子「うん、あ、あそこに爽子と風早くんが！」
歩「私にも見えます！」
信子「来て良かったでしょ？」
歩「はい、来て良かったです」