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流行なき時代の風景

朝刊
06 /18 2012
信子「なんつーか、そうねぇ。閉塞感ってやつなのよね。この変な息苦しさは」
益利「閉塞感ねぇ」
信子「先が見えないって言うか。まあ、それは経済に限らず、他の文化的なものでもそう。なんかコレという流れがないのよ。そう、流行の喪失というか」
益利「流行の喪失ねぇ」
信子「だってコレと言って流行ってるってないでしょ。それぞれが自分が面白いと思うものを持ち寄ってる感じ。良い物だって生まれてても全体がそれを見ないというか」
益利「全体ねぇ」
信子「きっと出会っていく人に順番に今ハマってる事を聞いたら、みんな違うと思うの。でもそれは良い事だと思うけど、趣味がみんな違うという状態。音楽の趣味と言っても、きっと今はみんな違う音楽を聴いてると思うし」
益利「違う音楽聴いてるだろうな」
信子「あんたに会う人はまさかこの男が今永井真理子にはまってるなんて思わないでしょ?」
益利「絶対思わないだろうなぁ。いやそれがわかった人がいたらわかり合えるかも」
信子「そういう風に趣味をわかり合える事が出来ない時代なのよね。経済的な閉塞感だけならマシだけど、今は共通する話題が見つからないのよ」
益利「共通する話題ねぇ」
信子「こういう共通する話題の見つからない状態が常態化して、それが当たり前になる時代。それはどんな時代になっていくんだろうって想像するの」
益利「どんな時代なんだろうなぁ」
信子「今はネットでもヲタ同士はどこか仲間意識とかヲタ情報を知っていて当たり前、カッコいい的な風潮だけど、もうヲタの常識であるべき知識のパソコンや漫画アニメゲームのデータが多くなりすぎて、そのうち全てを知ってることがヲタとしての当たり前という価値観は無くなると思うのね。そうなったら、今まで現実世界で外れ者的な存在で仲間意識があったはずのヲタも棲み分けや対立も起こったりするんじゃないかって思うの」
益利「ヲタの対立ねぇ」
信子「昔っから参加人数が増えすぎると色々対立が起きてきたわけだし。昔はヤンキーだったけど、昔ではファッション的にヤンキーになってた層が最近ではネットにきてるわけよ。そういう層がやんちゃしたりして、イメージが悪くなったり。まあ、いつの時代でも一番目立つところに行きたがる人達というか。戦国時代だったら、刀持って名前をあげてくると言って家を飛び出す農民というか。んー?ちょっとまって、そうなるとだ…」
益利「そうなるとねぇ」
信子「ほら、今まで映画とかだとオタクは決まってパソコンの達人でスーパーハッカーだったりして活躍するじゃん?それが、そういったカジュアルヲタ層が入ると、今度はオタクなのにプログラムに弱いという映画的に使えないオタクが出てきたりするだろうし」
益利「昔はオタクと言えばプログラムの一つや二つ使えて当然だったよな」
信子「うーん。今は一枚板に見えるオタクと言われる層もパイが増えて人数が多くなっていくと次第にイメージが変わってくるかも知れないわね。それに日本のネットも色んな歴史があったけど、それらを知らない若い子も増えているわけだし、一時代を作ったホームページとかも無くなったりしてる。あ、日本の有名サイトの歴史的な物を誰かが作らないと日本のネットの流れがわからなくなっちゃうんじゃ…」
益利「昔、侍魂とかいう個人ネタサイトとかあったしなぁ」
信子「ホームページの歴史とか記録しておくべきじゃないのかしら…?あれそう言えば何の話してたんだっけ?」
益利「…確か閉塞感がどうとか?」
信子「あ、そうそう。だから、人の趣味がみんな大きく変わっている時代だって言ってるのよ」
益利「だからなに?」
信子「だから、永井真理子のPV見るのを止めてhideのPV観ないって話」
益利「ああ、そう。hideもいいなぁ」
信子「じゃあ、ディスクチェーンジ!」
益利「あ、おい!」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
ええ、フィクションです。
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2007年8月31日開設
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