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しゃんしゃんしゃんしゃしゃしゃんしゃんの風景

朝刊
10 /03 2011
信子「えー、そんなわけで映画『しゃんしゃんしゃんしゃしゃしゃんしゃん』を観まーす」
益利「何その映画。あとどんなわけよ?」
信子「ほらこのチラシみてごらんよ」
益利「なになに?鬼石夏祭りを舞台にした映画?なんだそれ…」
信子「いやぁ、たまたまけやきウォーク前橋の映画館ぶらついたら、何か地元群馬発の映画を上映するみたいだからチェックしといたの。それがこれよ、この長いタイトルのしゃんしゃんしゃんしゃりしゃりろん…。あー言いづらい。まあそんな名前の映画」
益利「制作スタッフから主題歌のバンドまで群馬かよ。これは攻めてるぁ」
信子「バカが付くぐらい攻めてるでしょ?でも群馬に残るってのはこういうバカ祭りに乗っかれる楽しさがあるからじゃない?しかもこの映画上映した後に監督とキャストの挨拶とバンドのライブまであって、なんと千円よ!行くしか無いじゃない!」
益利「それはスゴいな!しかし、もしもこの映画が気に入らなかったら地獄メニューだと思うけど」
信子「家でつまらない地上波テレビ観てる方がよっぽど地獄よ」
益利「そりゃそうだけどさ」
信子「こんな大仕掛けのお祭り千円で参加できるなら安いもんじゃない。映画に出資してるわけでもないわけだし」
益利「千円ならなぁ。しかし、だんだん人が集まってきたな。これってこの映画の関係者とかか?」
信子「こういった映画になんの予備知識もなく特攻するバカはあたしくらいだろうから、なんらかの利害関係がある人じゃないかな?出演者の女の子の知り合いとか鬼石町の関係者とか制作側の人とか多そう」
益利「船出はみんなで盛り上げるもんだしなー」
信子「でも一体これはどういう映画なのかなぁ」
益利「俺は今お前に教えられたばかりなんだが…」
信子「お、入場オッケーになった行こ行こ」
益利「あ、ああ…」


信子「うーん。この映画評価するのは難しい。いや個人的には悪くない。けど、もっと良く出来るところは多いと思うわ。でもでも群馬愛だけは猛烈に感じるわ。あんたの好きなコミックマスターJの言う魂のある作品ではあるわ」
益利「ちょっと間というかテンポがもう少し早かったらいいかもなぁ。最初冗長に感じたけど、割と観ることが出来た。お金のかかってる作品ではないからキレイな映像とか無理だし、出演者もまだ高校生や中学生の素人を使ってた割には悪くなかったな。まあプロの演技と比べたら劣るけど、この初々しさと空気感が独特でこれはこれでありかもな」
信子「あたし達は群馬人だし、町おこし映画として観てるから受け入れられるんだと思う。でもただ受け入れられるってだけでなくて、あたしの中でどこかこんな作品を待ってた自分がいることに気付いた事に驚いた。群馬の地元で群馬の若い子を使って地元の映画を撮るの。これってあたしが潜在意識でやりたかったことなのよ。これ見てて気づいたわ。序盤はちょっとテンポが遅くて大丈夫かな?って心配したけど、観ていくとじわじわ感情移入が出来た。特に良かったのはヤンキー役の女の子のキャラと演技は結構良かった。さらっと群馬弁が出るのもよかったわぁ」
益利「あーあのヤンキーの女の子良かったなぁ。最後のキャスト挨拶にいなかったけど、地元の大学で単位を落とすわけには行かずに来られなかったとか。あんな子が地元にいるなんてなぁ。どこかで会えないかなぁ」
信子「うわ、キモッ。ストーカーとかちょっとやめてよ」
益利「しねーよ。他の女の子は地元の女子高生とかそれもビックリだよなぁ」
信子「映画で観ると結構大きく見えてたけど、キャスト挨拶で目の前に並んだ時に驚いたわ。みんな映画観るより細いの。テレビに映ると太って見えるってホントなのねぇ。テレビこえー」
益利「お前は映る事なんて無いから心配すんな」
信子「物語的に結構終盤盛り上がった分、序盤のダラダラ感が惜しいわね」
益利「無駄の多い人生ほど、もしかしたらハッピーかもしれないってチラシに書いてあるし、そんなことを映画の中で言おうとしてたから、その無駄感を表現したかったのかもなぁ」
信子「そんな感じもするんだけど、もっとシーン一つ一つを詰めて無駄な事をしてるシーンを増やした方が良かったと思うなぁ。あと中盤辺りにも伏線を引っ張って欲しかったというか」
益利「わかるけどなぁ。でもこの空気感ってサイタマノラッパーもこんな感じだったよな」
信子「あーあーあー。この映画の空気感ってサイタマノラッパーに感じた妙な田舎くささに近いわ。実際田舎くささってそんな感じだし」
益利「でもまあ、観て良かった作品だとは思う。なんつーか宝石の原石のような感じというか」
信子「磨けば光る感じよねぇ。群馬以外の人は勧めないけど、群馬の人はぜひ観て欲しいわね。特に監督やキャスト挨拶やライブがある上映会で」
益利「それって今日が最後か?」
信子「それが月曜日にもやるらしいの。10月3日の19時にけやきウォーク前橋の映画館で。近くでヒマな人はぜひ観て欲しいわ。最後にキャストがライブの鬼ロックに合わせて踊るのは結構大迫力だし、あれだけで千円分の価値はあるわ」
益利「ヤンキーの子が来るなら月曜も行きたい!踊ってくれるなら喜んでいく!」
信子「しつけーよ、てめぇ。きめぇんだよっ!」
益利「こっちのヤンキーがキレた…」
信子「そんなわけで地元を活かしたこういう映画って大切にしていきたいわ。もしかしたら本当にカンヌで賞取るような作品ができるかもしれないじゃない。いえ、群馬を舞台に国際的な賞を取るまで頑張るべきよ。そんなわけでみんなにも観て欲しいわ」



黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
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福澤桃介と金子直吉の評価の低さを憂う。
2007年8月31日開設
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