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フィールドオブドリームスを観たの風景

朝刊
06 /20 2011
信子「うわぁ。なにこれ…。結構クルじゃない」
益利「へえ、お前も感動するのか。女性って理解できないのかと思ってたよ」
信子「あらぁ、あたしを舐めないでくださる?ただ、この作品はちょっと独特ね」
益利「どういうところが?」
信子「始まりの変な声を聞いてから農場を野球場にしちゃう流れがスムーズだけど、結構怖さを感じるわね。何の保障もないのに野球場を作っちゃうし、奥さんもそんなに反対せずに同意しちゃうし。あたしだったら、これは怖い決断だけど、ここでごねてたらこの物語の透き通るような美しさが濁ってたわね。この奥さんの狂気に近い寛大さはこの物語で一番重要な所ね。ここがすんなりと進むからこそ、その後に起こる非現実的な出来事もすんなり受け止められる。作った野球場に死んだ過去の野球選手が現れたり、その仲間もやってきたり、家族以外の人には選手達が見えなかったり。普通の女性ならこんな事態になったら自分の正気を疑いたくなるだろうけど、この奥さんは見えない人を笑える寛容さがあるんだもんなぁ。この人凄いよ。お陰でこの物語が濁らずに進んでいく。この異常事態が起きながらも透き通るような美しさがあるのは素晴らしいけど、演出をちょっと間違えたら破綻してたわね」
益利「確かに普通の人なら、見えてる現実よりも常識を信じるから、そのギャップに正気が保てなくなるからな」
信子「あとこの物語が美しいのは台詞回しが綺麗なのよ。死んだ選手達の言葉が美しいから、まるでこれは文学作品のような美しさがある。だから、ファンタジーとして成立するのよ。ここ一番でみんな『ここは天国かい?』と言う問いをするのに対して主人公が『いいや、アイオワさ。』のやりとりがまた美しいのよね。天国って野球好きの人にとって野球が出来るところなんだって感じさせてくれるのが本当に好き。あとマジックアワーと野球場っていう組み合わせも見事よね。どこか寂しさを感じさせるところとか。あとみんなで野球選手のプレイをブーイングしたり歓声を上げて観てるところとかいいよね。あーキリが無いなあ。いいところが多すぎるわ」
益利「良いシーン多いよなぁ。前は子供の頃に観た時にも感動したけど、今観るとさらに感動したよ」
信子「感動するし、綺麗だし、台詞回しも美しいけど、やっぱり全体的に異常な出来事に振り回されてる事は間違いないからね。特に最後の最後でみんながあの野球場を目指して集まってくるところとかね。綺麗な物語だし、感動するけど、本当に不思議なバランスで良く出来てるわ。ちょっとでも崩れてたら気持ち悪い作品になってただろうね。これだけ危ういバランスで出来上がった感動作ってなかなか出てこないだろうね。トランプのピラミッドみたいなバランスで出来上がってる。本当に美しい物語だわ」
益利「まあ最後に人がなぜか集まってくるという流れは不思議だけど、この物語ならそれもありかなぁと思うよな」
信子「これは大人のファンタジー、いやおとぎ話なのよ。だからアリなのよ。あー、大人のおとぎ話かぁ。自分で言っててしっくりきたわ。THE大人のおとぎ話なのよ。いやぁ、しかしこれを観たことない人は人生損してるわねぇ」
益利「もう一度みんな観て欲しいよなぁ」
信子「テレビではやらないよねぇ。やればいいのに。夏休み辺りに子供と親が一緒に観ればいいのに」
益利「古い作品も少しくらい見直してもいいと思うけどなぁ」
信子「あ、この作品1989年なんだ。まさに日本がバブル絶頂な頃なのね。なんか色々思う事があるわ。貧乏農家の話だけど日本はバブル絶頂期かぁ」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
ええ、フィクションです。
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福澤桃介と金子直吉の評価の低さを憂う。
2007年8月31日開設
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