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茨城産ホウレンソウの風景

朝刊
03 /28 2011
信子「なに、このものすごい量のホウレンソウは…」
益利「さっき親が持ってきたんだ。何でも今話題の茨城産のホウレンソウらしい」
信子「ああ、今話題のホウレンソウね。でも良く手に入ったね」
益利「まあ、農家の繋がりか運送業との繋がりか、そこらへんから回ってきたんだろうな。実家だけじゃ処理出来ないからお裾分けだとさ」
信子「へえ、まあおいしそうだから早速食べる?」
益利「それはいいけど、お前は抵抗とかないのか?」
信子「テレビで散々やってるの見たけど、まあどうでもいいんじゃないの?どうせ洗えば落ちるわよ」
益利「お前は相変わらず図太いな。まあ、お前のことだからそう言うと思ってたけど」
信子「こんなに良く出来てるのに流通に流れなかったり、値段がつかなかったりするんでしょ。本当にもったいないわね」
益利「問題が問題だからな。目に見えない放射能だから仕方ないと言えば仕方ないだろうし。でもさ、こうやって食べるって言う人がいるんだから、出してくれてもいいよな」
信子「そういえば、狂牛病の時も焼肉食べに行ったねぇ。客はあたし達くらいしかいなかったっけ」
益利「懐かしいな。そんなこともあったな」
信子「ま、とりあえずホウレンソウ洗って茹でてくる」
益利「よろしく」

信子「うーん!このホウレンソウおいしいじゃない!さすが茨城だわ」
益利「たしかにこれはウマいな。うーん、群馬も油断できないぞ」
信子「でもこれが売れないのよねぇ。本当に理不尽だわ」
益利「原発問題はなぁ。これからもしかすると群馬も他人事じゃないだろうし」
信子「はぁ、このホウレンソウのおいしさが辛いわ…」
益利「日本人はこれから国産を買うか外国産を買うか試されるよな」
信子「あたしは、この先はどうなるかはわからないけど、現状のままならまだ外国産よりも国産の方が信頼できるけどね。群馬の人間だから、農家がどれだけ気を使って作ってる事知ってるから。多少のベクトルかシートベルトか知らないけどそれが高いくらいなら国産ね」
益利「ベクレルとシーベルトか。良くわからないしな。それに野菜に降りかかってるくらいならもう吸い込んでるだろうし」
信子「地球の拡販機能の性能なら、もう世界どこでもそんなに変わんないじゃないの?まあとにかく原発問題が落ち着かないとこういった食の問題も落ち着かないだろうけど。でもホウレンソウって食べ始めると止まらないよね、不思議」
益利「随分食ったな、俺達」
信子「食の風評被害に食べることで有名な現総理大臣よりも先に茨城産のホウレンソウを食べられたことを誇りに思うわ」
益利「それにしても今回はまだ食べてないな。さすがに放射能は怖いのかな」
信子「もう総理大臣になったから媚びる必要が無くなったからじゃない?今ならポパイの方がいい仕事するわよ」
益利「そういえばホウレンソウと言えばポパイだったな」
信子「あんな感じで食べればいいのよ。何も考えずにね。あーおいしかった。今度から野菜茨城産にしようかな-」
益利「群馬産はどうすんだよ」
信子「うるさいわね。キャベツだけは群馬産にこだわるわよ」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
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2007年8月31日開設
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