映画怒り観てきたけど、全てが完璧な映画だった。演出脚本演技と申し分ない。千葉東京沖縄と繋がりのない3つの群像劇が一つの事件を中心にどこか繋がっているように見え、さらに真犯人が誰だかずっとわからない。しかし、犯人の顔が身元不詳の三人の男と似てるようで似ていないってのが見事。似てないとは思うけど、特徴が似てると思いこんでしまう心理とか。なにより全部素晴らしい。市川達也事件をモデルにしてるんだろうけど、モデルにしてるだけで全く違う物語。でも実際の事件のリアリティがいい味付けになってる。
しかしまぁ、デキが良すぎる傑作ミステリーゆえの欠点がある。あまりにも出来が良すぎるハードな内容のために若い純粋な女の子には見せない方がいい。トラウマになりかねない。残酷さが映像的なものよりも心理的にくる性質であり、一見いい人が実はなんてのがやたらキツい映画になってる。そういう意味では下手な成人指定映画よりも大人向けな映画になってるが、間違いなくこれは傑作映画だ。