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横道世之介という傑作の風景

風景
02 /09 2015
信子「恐るべし、横道世之介!この映画は本当にヤバイわね」
益利「横道、世之介?」
信子「この映画を人に伝えるのはほんとうに難しいわ。160分という長い映画でありながら、ドラマというドラマもなくフラットなままで横道世之介もなんかフツーの大学生という・・・」
益利「面白そうには聞こえないない説明だな」
信子「そうなのよ。この映画を言葉で伝えるとひどく退屈な映画に聞こえるわよ。でも、この世之介はそのフラットであり普通な大学生活を描いてるもんだから、まるであたしの青春時代にこの世之介がいたかのような錯覚させる思い出侵食力を持ってるの!多分あたしの20歳前後に世之介って同級生がいたのよ」
益利「意味がわからない。何を言ってるんだ」
信子「うーん。まず青春学生もの映画というとなんかものすごい大恋愛とか大失恋する映画か童貞が妄想を暴走させる映画になりがちだけど、どちらもでもなくむしろそんな極端さをストイックに排除した作りになってるの。青春映画を作ろうって人なら避けて通るところを思いっきりそこだけを通ってるというか。だから、妙に言葉がどもって伝わらなかったり、付き合ってるのか付き合ってないのかのよくわからない関係を確認する時もゴニョゴニョ言ったり、聞かれてる側も恥ずかしくなってカーテンに隠れたりとかするの。映画ならこういう場面向き合って言うでしょ?でも案外こういうのって実際はお互いジリジリにじり寄って、曖昧なままはっきりしないまま付き合ってたりとかするじゃない。なんかそういうのを見事に表現してると言うか。しかもこの世之介と祥子のカップルが可愛いし、祥子が世之介の元カノと二人で話してるところに遠くから他愛もない事を言って呼ぶところの実は嫉妬してたみたいなところとかわかるわ~って感じ。なんか遠い青春時代の思い出みたいのを見事にこよりでコチョコチョされてムズムズする感じというか。まあ、これこそ真の青春映画でしょ。ドラマがないとかいう人はどんだけ青春時代にドラマがあったんだって事よ。学生時代にITバブルで時代の寵児でもやってた人でも無いならわかるんじゃない?この映画」
益利「まあ、わかったようなわからんような」
信子「宇多さんの映画評聴いた時は何を言ってるのかよくわからなかったけど、なるほど映画見ると言いたいことはわかる!けどちょっと深いところ説明しすぎて見てない人には伝わらない。けどこの映画は観ないと誰もわからない。だからこれでいいのかと納得したり」
益利「要するに観ろと」
信子「そうよ。とりあえず観ればいいのよ。観ないとわからないって映画は多分映画における特異点というべきなのかも。世之介は特異点なのよ」
益利「特異点って何?」
信子「知らない。こういう時に使うんじゃないの?」
益利「わからないけど、違うんじゃないのか?」
信子「なんでもいいわよ。とにかくすごいの!」



黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
ええ、フィクションです。
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福澤桃介と金子直吉の評価の低さを憂う。
2007年8月31日開設
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