漫画が大ヒットし、アニメも好評の進撃の巨人だけど、まるで知らなかったので劇場版という名の編集版があるということで観てきた。もうてっとりばやく内容知るのはいい方法と思ってみたけど、このアニメ本当に思い切ってる。
物語は50mの壁に囲まれた街から始まる。その街は壁のおかげで100年間何もなく平和に暮らしていた。しかし、その壁の外には5m以上もあり、人を一口で食ってしまう怪物巨人がいる。この巨人は普通の人の顔をして、体はだらしない体で表情もだらしなく歪んだが笑顔をしているためにユーモラスに見えるが、人を見つけて食べるまでの行動は素早く、とても破壊的だ。特に人の顔をした巨人が人を食うシーンは残酷でありながらもどこか自然摂理の無常さを教えてくれる。人も動物を食って生きてるわけで、人を食う巨人も観客自身でありながらも、食われる人もまた観客自身なのだ。この妙な捕食者と被捕食者ともに自分であるという、今までの物語ではなかった新鮮な感覚を読者に与えたからこそヒットしてるのだろう。何より人の精鋭達も強い言葉で奮い立つものの残念ながらあっさり殺され、あっさり食われる。特に残酷なのは主人公の母が食われるシーンではないだろうか。主人公の前で生きたまま丸呑み、とはいかずに一度半分にちぎってから巨人は主人公の母を食った。このシーンが意味するのは巨人が人を殺すのは絶望を与えるためとかそういうことでなく、ただ単に食事のために人を捕まえてることをこのシーンで印象つけてる。
しかしここまで絶望感を煽りまくる物語も珍しい。原作も読んでみたいと思える作品だった。