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創作都市伝説の風景

朝刊
12 /10 2012
信子「歩ちゃん、知ってる?」
歩「何をですか?」
信子「前橋駅のそば屋の前にある小さな伝言板に再会したい人の名前を書くと再会できるとかなんとか」
歩「へえ、知らなかったです」
信子「でしょうね。あたしが前橋駅行った時に伝言板見つけた時に思いついた都市伝説だから」
歩「あー、えー。それって都市伝説って言わないんじゃ…」
信子「都市伝説の一つくらい作ってみたいじゃない。それに前橋駅の伝言板ひっそりしてたし、なんかありそうに雰囲気あるのよ」
歩「雰囲気ありそうでも-…。でも再会したい人に会えるっていいですね。両思いになれるとかってのはベタというか。生きてると仲良くなったけど、あっさり会わなくなってそれっきりの人とか多いですからね。私なんか出会ってきた人の名前と顔を全部思い出せないですよ」
信子「思い出せない人ばかりなのに、思い出せる人がいる。だけど、連絡先というかケータイの番号知らないために二度と会えないとか。いえ、番号知っててもかけられないというか、かけてきて欲しいというか、そんな感じよね」
歩「私のケータイの中には相手の番号はあるけど、向こうのケータイには残ってないんじゃないかなぁとか思ったりしますしね」
信子「思い切ってかけてみたら、何年も会わなかったのにさっき離れた人のように普通に話せたりするし。まあ、年重ねると新しい出会いもいいけど、ちょっと昔の知り合いと再会の方に憧れるかなぁとか思うわね」
歩「昔の友達や、昔の彼氏や、バイト先の仲間だった人とか、ひょんなきっかけでちょっと話した人とか、思い出せないけど、色々いますね」
信子「そうねぇ。まあ、学生時代の同級生ってのはあるかどうかわからないけど、同窓会とかで再会する確率はあるけど、それ以外の知り合いだった人とはほぼ再会するきっかけなんてないしね。そう思うと何が何でも連絡先は興味なくてもとっておくとか聞いておくんだったなぁと思うな」
歩「信子さんにもそんな人いるんですか?」
信子「うーん。今、あたしが人生で出会った人全員が集まるパーティーとかあったら、あたしは泣きながら笑うと思うわ。『みんな来てくれてありがとー!うえーん』って号泣しながら」
歩「それなら信子さんは前橋駅の伝言板に『今まで出会った人全員』って書かないといけないですね」
信子「あー、そうね。こりゃ歩ちゃんに一本とられたわ。あたしよりも歩ちゃんの昔の彼氏の話とかコ洒落たカフェでコーヒーすすりながら聞きたいわね」
歩「えー、あー、そうですねぇ。ちょっと、いえ、かなり長くなりなりますけどいいですか?」
信子「大丈夫大丈夫。長くなったら長くなったで続きはお酒でも飲みながら聞こうじゃないの。そうと決まれば…」
歩「ついでに前橋駅の伝言板に書いていきます?」
信子「うーん。また今度にしておくわ。だって迷信だし。しかもさっきあたしが作った」
歩「そんな、身も蓋もない」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
ええ、フィクションです。
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福澤桃介と金子直吉の評価の低さを憂う。
2007年8月31日開設
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