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バーチャファイター熱狂期における男子熱

朝刊
09 /07 2012
 部屋の奥の方からとあるDVDが出てきた。それがこのバーチャファイター10年の軌跡だ。一応バーチャファイターのPS2ソフトが付いてるんだけど、本編はもう一つのバーチャファイター全盛期におけるゲーセン熱のビデオ映像や当時のトッププレイヤー達のインタビューを含めて作られたドキュメンタリーだ。
 始まりは小さなゲームセンターにバーチャファイターが入ったことに始める。そこからストリートファイター全盛期に3D格闘ゲームという異質なゲームにはまった人達が、次第にどこどこのゲーセンに強い奴がいるという噂になり、強い奴がいると聞けば遠征して、しまいには京都まで遠征したりする。
 強プレイヤーの通り名もいい加減なもので新宿ジャッキーや池袋サラ、ブンブン丸など当時ではゲーム雑誌などで見かけた名前のプレイヤーがバーチャ1が盛り上がり始めた頃の事とインタビューで話していく。人が集まり、強い奴と会いに動き始める。あの頃はそんなことが当たり前だった。その文化は今もイニシャルDという漫画でも描かれてるからアレのゲーセン版だと思って欲しい。そのゲーセンが道場のようになり、道場破り的に他のゲーセンのトッププレイヤーがやってくる。今思うと不思議に感じるけど、あの当時のバーチャ熱はそれが当たり前に感じるほどに暑かった。
 まあ、バーチャ1の頃は割と実験的なゲームだったので物好きな人がやってた感じだったけど、やはり熱が過熱したのはバーチャ2だろう。やはり今DVDでゲーム映像観ても全然古びてないというか、バーチャ2の完成度の高さを改めて実感する。このバーチャ2の頃には強プレイヤーがいるゲーセンには入りきれないほどの人が集まり、みんながみんな対戦して腕を磨いていた。今じゃ考えられないなぁ。
 それから、ただの一店舗のバーチャ大会が店舗の枠を越えてホールを貸し切って行うようになっていく。セガ公式のイベントではないのにここまで大きくなり、トッププレイヤーはこの大会で勝つことに名誉を感じるわけだ。特に名前のあるプレイヤーを倒すと名前が上がるのも面白い。だから、勝ち進むよりも誰に勝ったかが重要だったりと、なんか戦国武将のような価値観がそこにある。だから、妙にリベンジ戦とかが盛り上がったり、勝った時の喜び方凄まじい。これぞ男の歓喜と言わんばかりのリアクションだ。
 そんなバーチャも3が出ると色々仕様が変化して、バーチャ2の第一線世代が引き、その代わりに次世代のプレイヤー達が活躍する。世代交代もあったバーチャ3にも様々なドラマがあるが、それでも人気は下火になりかける。
 そこからバーチャ4の登場により、バーチャは息を吹き返す。このバーチャ4にはカードシステムがあり、このカードによって自分の名前を表示したり、対戦勝敗が記録されるようになる。これがかなり大きく、刺激的なシステムだった。バーチャ4の頃のゲーセンはまた暑い活気があったのを憶えてる。さらにその正統進化のバーチャ4エボにいたっては、新キャラが良く出来ていて、バーチャ4エボは一つの完成形だった。
 というバーチャの4エボまでの事をよく編集してある日本では珍しいくらい当時の映像も織り交ぜながらも良く出来たドキュメンタリーだ。つーか日本は様々なプチムーブメントが起きているのにも関わらず、まるでその事をドキュメンタリーという形で記録していない。このバーチャの10年の奇跡も90年代の始めから00年代の始めまでの事だが、このバーチャ以外にも時代が大きく変動した時代でもあったわけだが、そう言った事のドキュメンタリーはまるでない。男子がバーチャやら峠でドリフトやらと盛り上がってる間に女子はコギャルやらルーズソックスやらブルセラ援助交際などが社会問題になったり、オウムの事件に阪神淡路大震災も95年起きている。記録すべき事柄も多く、しかもネット以前の文化や感覚や時代の空気感はネット全盛の今観ると本当に新鮮だし、そこにはネットが介在しない人と人とのぶつかり合いやそこから生まれる対立や友情や出会いがあったわけだ。
 正直、このバーチャ2時代のネットとケータイの影響力くらいが若者には丁度良いのかも知れないとこれを観てて思う。情報交換にパソコン通信、知り合いを呼び出すのにケータイを使う。今いつものゲーセンに他のゲーセンの強い奴が来たからすぐに来いとか呼び出したり。
 このDVDを買った時はまだ当時が近かったし、ネットがここまで影響してる時代でも無かったから、時代の空気感に違和感は感じなかったけど、これだけネットからスマホになった時代にこのバーチャ熱やゲーセンに人が集まってるからわけもなく行ってみる的な感覚が懐かしいようであり、羨ましくもある。今僕が外をふらついて探しているのはこの熱だろう。今はどこにもこの熱が無い。
 まあ、このDVDを観てて思うのは、そのうちネットにも人は飽きるだろう。その時には、またこういった人が実際に集まることによる熱から起きる熱狂を求めて、若い男が集まる何かが起きる事を期待している。そして、誰かがネットを置いてでも若い男が集まり、またこの暑苦しい男子熱を起こす何かを作ってくれることを期待している。と言うか作るべきだろう。それがネットの次の時代を切り開く何かになるだろう。

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