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思いっきり外れな新商品の風景

朝刊
03 /12 2012
信子「あー…。うわ。久しぶりに失敗した新商品発見だわ。誰よ、コーヒーに抹茶入れようと思った奴って」
益利「やっぱりマズいのか。つーかよく買う気になったな」
信子「不味さの新境地ってのも初体験は刺激的でいいものよ。ただ何度も体験したくはないけどね。それにしてもコーヒーに抹茶入れる前に抹茶ミルクっていう基本的な方は出さないのね。あたしが知らないだけかもしれないけど、見かけたら買ってるはずだし」
益利「うーん、抹茶ミルクなら悪くないかもな」
信子「寒い日にホットで飲んでみたいわ-。一応抹茶ミルクは成功してる味でしょ?もしくは抹茶アイス味の飲み物とか。抹茶とミルクって初めて聞いた時はうげーって感じだったけど、味わった瞬間から、あら悪くない、それどころか結構病みつきとか思っちゃったし。まあ、この抹茶コーヒーにもそんな新境地を期待してたけど、なかったわねぇ」
益利「でも作った人はこれをウマい、売れると思って開発したんだろ?好きな人もいるんじゃね?」
信子「どうだかねぇ。まあ、缶のデザインは結構いいと思うけど。どうせこの黒と緑のデザインの缶を作りたかったって感じじゃない?あたし的にはこれは出すべきじゃなかったわね」
益利「そういや、こんな売れない時代にここまでの冒険をよくやったな。そこは褒めるべきか」
信子「そうね。こんなぶっ飛んだ味覚を体験させてくれたのは感謝しないと。最近当たり障り無い物ばかりで退屈だったし。ぶっとんだ商品でウマいのは当然嬉しいけど、ビックリするくらい口に合わない商品を味わえるのも人生の喜びの一つよね。嗅いだこともない臭い匂いを嗅ぎたいのとか、気持ち悪い触感の物質を触りたくなるような魅力というか。まあ、人は良くも悪くも未知な体験を求めてるものよ」
益利「じゃあ、オレにも一口くれよ。ちょっと飲んでみたい」
信子「ダメ。欲しければ自分で買えばいいじゃない。今買わないと絶対に二度と体験出来ない不味さよ。もう作らないだろうから。うえ、これ飲み干すのキツいなぁ」
益利「…ケチ」
信子「良くも悪くもレアモノをつまみ食いで済まそうって方がケチよ。定番商品なら一口くらい分けてやるけどねー」
益利「クソ…。でも買いたくないけど、一度飲んでみたい」
信子「グイッ。あー、マズかった…。さて口直しに普通の缶コーヒーでも買うか」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
ええ、フィクションです。
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福澤桃介と金子直吉の評価の低さを憂う。
2007年8月31日開設
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