いやぁ、雷でルーター壊されてネット出来ずに本当に久しぶりにネットなしの生活をしてた。無理矢理なんとかして繋ぐことも出来ただろうけど、面倒だし、暑いし、丁度良いのでネットなしの生活をしたわけだ。しかし、雷でルーター壊されて家電話は使えず、故障ダイヤルに電話かけても常に通話中でかからず、やっと繋がったところで何とか修理を取り付けたわけだ。始め故障ダイヤルに繋がらない事にイラッと来たが、これは完全に中毒患者の症状でネット中毒だったのだろう。中毒を抜く為にも余裕をもって連絡することにしたわけだ。
そんなわけでツタヤ行ったら、一作１００円だったのでパトレイバーを借りて観てた。まあ劇場版が有名だったというのもあるし、その劇場版が面白かったのでテレビシリーズ全部観てないなと思ったのでシリーズ全部借りてきた。
んでパトレイバーだけど、子供の頃は近未来ロボットアニメという感覚でしか観てなかったけど、改めて観ると古い近未来SFの面白さという物が見えてくる。それはどういう事かというと僕の好きな１０年前の１０年後の日本経済予測本的な面白さだ。１０年前の人が必死に不自然さがないように考えた近未来の風景を本当の１０年後の風景と重ね合わせることが出来るということだ。このパトレイバーは８０年代後半に始まり、１０年後の日本を描いていた。要するに舞台は２０００年手前になるわけだ。まさに日本はITバブルに湧いてた頃だろうか。パトレイバーの舞台の頃だと伝説のヤフージャパン株が上場されて成長してた頃なのではないだろうか。
実際に日本にはレイバーという機械は発明されなかったが、パトレイバーの舞台に比べて日本はすべて負けていたのかというとそうでもない。パトレイバーの舞台では携帯電話はバカでかくまるで無線機のようではあったが、実際の日本では携帯やPHSは小型化して、誰もが携帯電話を持ち始めた頃だったはずだ。そんなわけで実際の世界では携帯電話に関してはパトレイバーの世界よりも勝っているわけだ。さらに細かく観ていると、パトレイバーの舞台では古い日本的な物をあえてディティールとして利用してるが、古いダイヤル式テレビなどをアクセントとして置いてあったりするが、２０００年前の頃ではさすがに観ることはない代物だろう。むしろこう言う時の小道具としては当時の最新テレビを古っぽく描いたの方が現実的だったのかも知れない。
僕は決して、近未来の風景が間違っていたから良くないというわけではない。こうして過去の人の思い描く、逆にこういうのを描いた方が味があると思って描いた細かい小道具や演出が面白いと感じるわけだ。
まさか携帯電話が一般化するとは思わないだろうし、小型化などは安易に想像出来るものの、きっとそれをパトレイバーに描いてしまったらチープになってしまうと判断したんだろう。きっと１００年後のSFなら抵抗なく携帯を一般化かつ薄型にしただろうが近未来の舞台であるためにそれが出来なかった。そう考えると携帯電話の進歩は完全にSF作家の想像を遙かに超える進歩をしてきたということだろう。こういう答え合わせ的な事が楽しいのだ。
さらに８０年代で作られてる為にどうしても細かいところで８０年代のトレンド的な物が入り込まざるをえない。洋服のファッションなどもそうだ。そういうところで時代にあべこべ感があるのが実に愛らしい。そういった古い時代と今でも追いつかない技術や今あるはずの物がない現代の日本とはパラレルになっている世界が観られるのが興味深いわけだ。
古い近未来SFを今見直すことで、今という時代は過去の日本人からどう見えるのかが見えてくるのが楽しいわけだ。そして、それを観ることでこれから先の日本を予測する上でのヒントらしきものが見えてくるのではないだろうかと思う。
さらにこのパトレイバーがスゴいところは、実はこの時代に正解を描いていた点にある。パトレイバー劇場版１はプログラムに潜むウィルスをモチーフに描いた物語なのだが、この時代にウィルスの脅威をここまではっきり描いていたのが驚きだ。あまりにもしっくりしすぎて古いアニメだということを知らずに観たら何の凄さも感じないかもしれない。今ではごく当たり前の脅威ではあるウィルスを描ききってしまった為に、間違った近未来アニメ的な違和感的な時代錯誤感を感じないために、最近作られた作品と勘違いされてしまうほどに見事に描かれていた。そういった近未来SFの予測なんて外れて当たり前、外れた予測こそに面白さや独創性があるという常識を覆してしまったわけだ。まさか未来を当ててしまうというすごさ。確かにパトレイバーもないし、海上の巨大な施設もないが、ウィルスの表現が見事だった。
そんなわけで古い近未来SFを観ることはこれからの日本を想像する上でも重要なことだと思う。まあそんなわけでパトレイバーは面白かったが、有名な押井守監督の脚本の話はどれも個性的でスゴかった。まさにやりたい放題という感じのドタバタコメディ的な話などでこういうのを書いてた人なのかと驚いたわけだ。まあ何にしても面白かったと。
あー、あとあと歳をとったせいか、子供の頃は何も思わなかった第一小隊隊長の南雲しのぶさんを可愛いと思えるようになったのは自分でも驚いた。
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